第19回テーマ「恥ずかしがらずに手に取って」
肌に優しい女性用失禁パンツ
先日講演にいった福祉センターで、帰りの際に一人の女性がそっと私のところに来られた。五十代半ばくらいで、まだお若く、元気そうに見える。その方から遠慮がちにこう言われた。
「実は二、三ヶ月前からくしゃみをしたときなど尿漏れするようになりまして・・・・・・。それで通信販売で、尿漏れを吸収するパンツを見つけて買ったのはいいのですが、肌が弱いためなのか、レースの所がかゆくなったりして、気持ちよくはいていられないのです」
くしゃみをしたときなどの尿漏れは、腹圧性尿失禁の女性に多い。ただ、他にもいろんなケースが考えられるので、まずは専門医に診てもらおう。そして腹圧性尿失禁と分かれば、骨盤底筋体操という簡単な体操が有効である。
その上で失禁パンツということになるが、やはり、はき心地が大切だ。このパンツにも、今はずいぶんいろいろな種類がある。ウエストなどにレースを使わず、肌に優しい素材で作られたものがあるし、縫い目を外側にして肌を刺激しないよう工夫したパンツもある。
通信販売も便利だが、品ぞろえのいい店に出掛けて、恥ずかしがらずに、じかに手に取ってみるのが一番である。
浜田きよ子のプロフィール
高齢生活研究所代表。同志社大学文学部社会学科卒業。母親の介護の経験をきっかけに、高齢者が使いやすい道具について学び始める。現在は高齢者との幅広い交流の中で、生活改善についての無料相談や福祉用具の貸し出しなどを通じて、高齢者と介護者の生活を支援している。
著書として、『高齢者が使いやすい日用品』(晶文社出版)『高齢者の暮らしを支える道具と工夫Q&A』(ミネルヴァ出版)などがある。
企画:ふくしチャンネル
協力:高齢生活研究所