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DIY用品もユニバーサル化。福祉用具のように、使いやすく便利なものが多くあります。 |
3月11〜13日の3日間、東京・池袋で開かれた「シルバーサービス展」のDIY教室には、多くの元気シニアが集まっていました。
80代の女性は、アクリル板を使った写真立て作りに挑戦。初めこそ慣れない作業に緊張気味でしたが「電動ドリルを使ったのは初めてなのよ。便利なものね。ちょっと失敗したけど楽しかったわ!」とニッコリ。
「"DIY"を"日曜大工"のことだと思われている方が多いんですが、それはDIYのほんの一部。DIYとは、自らの手で自らの住まいを補修・改善・維持することなんです」と語るのは日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会の永沼さん。
同協会(DIY普及委員会)はDIY普及活動や生涯学習の一環として、6年前からシルバーサービス展で工作教室やDIY教室を実施しています。
DIYは「Do It Yourself」の頭文字をとったもので、第2次世界大戦後に復旧作業の合言葉としてイギリスで使われ始めたことが起源といわれています。直訳すると、あなた自身の手でやりなさいという意味になりますが、同協会では「住まいと暮らしをより良いものにするために、自らの手で快適な生活空間を創造すること」と定義しています。
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DIY協会ではホームセンターや、公民館、シルバー人材センターなどで「住まいのお手入れ教室」を開催しています。 |
人と同じように住まいも歳をとります。
内閣府が行った調査でも、60歳以上の男女のうち21.2%が、住まいについて「古くなりいたんできて困っている」と回答しています。
それに伴い、リフォームや改修など住まいに関する消費者トラブルが増えてきています。国民生活センターのまとめによると、「無料診断後、屋根に補強工事が必要」と家や設備について不安をあおるものや、「床下換気扇をつけないと家が腐る」と早く手を打つよう焦らせるものなど、点検商法や訪問販売が急増しています。
生き生きとした心地よい暮らしを送るためだけでなく、このような消費者トラブルを回避するためにも、住まいや改修に関する知識を得る必要があるといえるでしょう。しかし、DIYを実際にやりたいと思っても「やり方がわからない人」や、「できないと諦めてしまう人」が多いようです。
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来場者の質問にわかりやすく丁寧に答える前田さん。 |
DIYアドバイザーとして静岡のホームセンターで活躍している前田さんは、「そんな方の背中を、ポン!と押してあげることが私たちの役割」と話します。
DIYアドバイザーは1983年に創設された資格で、現在までの累計資格取得者は1万名以上。DIYerに対し、ニーズに合った用品や材料の選択、安全な作業や使用方法の指導・助言を行います。2003年度の50歳以上の合格者は198名と全体の4割を占めており、趣味の延長と考えて取得される人も増えてきています。
「やり方や用具を説明すると『自分でできるんだ!』と驚く人が多い」という前田さんは、この傾向について、網戸やふすまの張り替え、水道管の交換などは昔ながらの職人がやるものという意識が根強いからだと指摘。
「便利で簡単なDIY用品や、手先が不自由になってもそれをカバーする電動工具などがたくさんあります。そういう物を使えば、誰でもプロのように仕上げられるんですよ。もっとDIYを生活に取り入れてもらいたいですね」。
より良い暮らしを自分の手で作ることは、老化予防にもつながります。手指と頭を使って、体も心も暮らしも活性化!自分らしいエイジレス・ライフを実践してみませんか。
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