2006年9月27日から29日の三日間、東京・有明ビックサイトにて第33回国際福祉機器展が開催されました。
国内554社・海外16ヵ国78社と今年も多数の企業が参加。延べ約13万人の方が来場されたそうです。
今年は、従来から使われている機器の中でも、特に珍しい工夫がされていて注目されていた製品をご紹介します。
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移動方向の制約をしない手摺
『ジュピター』 |
実演による商品紹介の時間には、特に混雑していた(株)ホクメイのブース。
そこで紹介されていたのがこベストポジションバーシリーズの『ジュピター』という手摺。ハンドルのような形をしたこの手摺は、ベッドサイドに取り付けることを想定して作られたものだそうです。
円形なので、好きな方向から握れ、そのままベッドサイドの簡易トイレ等に向きを変えて移動することが可能。抱きかかえるような体勢での使用も可能なので、しっかりと体を支えることができます。
また、天井と床に軸となるバーを突っ張らせることで好きな場所に固定ができ、手摺の取り付け高さも自由に変えられるそう。寝ている状態(側臥位)からの立ち上がりにも対応できます。
他にも、H型・跳ね上げ式等、設置場所や使用目的に応じたタイプが用意されているので、組み合わせて使用することで家庭内の殆どの動作をサポートしてくれます。
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電力不要のパワーアシストドア
『AIDoor』 |
「実際に触って動かしてみてください」と案内され、ドアの軽さにびっくり。手で10cmほど扉を開けると、あとはすーっと自動的にドアは全開。
社員全員が福祉住環境コーディネーターの資格取得者という(株)アイスリー。商品の特徴もとてもわかり易く説明したいただきました。
この『AIDoor』は、少しの力を加えるだけで引き戸の開閉が可能になる補助装置。閉める場合も同様に、少し閉めれば後は自動でゆっくりと静かに閉まります。
新設の扉だけでなく、既存の扉にも取り付け可能だそう。
床レールがないので車椅子使用の方やお年寄りにも使い易く、また、開閉補助装置では世界初の電力不要。人にも地球にも優しい商品です。
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ユニークな形の介護用トイレ
『ラップポン』 |
新デザインのポータブルトイレ『ラップポン』を発表して注目されていた、日本セイフティー(株)のブース。今までに見たことないようなたデザイン性の高いポータブルトイレに、みな興味深々。
出展されていたのは、たまごをイメージしたという有機的な形の『オーブ(右)』と、バレリーナを連想させるような優雅な動きのある形の『プリマ(左)』。
『オーブ』は樹脂製でポップな色使い。『プリマ』は木製で高級感があり、使用する人や場所にあわせて選べるデザインでした。
従来通り、ワンプッシュで排泄物をラップで完全密閉し臭いを漏らさないという機能も兼ね備えています。
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出展者セミナー
『排泄用品の特徴と
選び方のポイント』 |
ふくしチャンネルも運営に関わっている【排泄総合サイト】まるnaviは、今回初出展。
また、『排泄用品の特徴と選び方のポイント』というテーマにて、出展者セミナーも開催しました。
サイト発起人でもある排泄総合研究所(むつき庵)の浜田きよ子先生に、“排泄障害が生じた際、症状を把握した上でどのように適切な用品を活用・選択していくべきか”について、オムツを用いた実演を交えながら分かりやすくお話いただきました。
福祉用品専門相談員、介護従事者の方を中心に多くの方にご参加いただき、立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。
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従来製品が、機能向上だけでなくデザイン性の進歩も加わり、年々身近になり続けている福祉機器。
来年はもっと、親しみやすい、生活空間に馴染みやすい製品が生まれてくるのではないでしょうか。
次回の開催予定は2007年10月3日(水)〜5日(金)ということです。 |